父の役割・母の役割~家庭内の役割分担~

※当サイトはアフィリエイト広告を利用していることがあります。
目次

父の権威と母親の権力(今朝のテキストの要約)

今朝の早朝研修の内容は“父の権威”と“母の権力”であった。

著者であるスコーレ公益社団法人の名誉会長は、家庭内の役割分担の重要性を権威と権力で表現し、戦後から現代の日本の家庭内において、この関係が弱体化していると指摘している。

(以下、一部抜粋)

  • 通常、リーダーシップの依拠するものは、”権威”と”権力”です。
  • 一般的に言って、家庭の権力は母親が握っているのは間違いないでしょう。
  • 子どもは母親の胎内から生まれ、母親との強い絆のもとに育つわけですから、父親よりもはるかに近い距離で母親と接します。
  • 12~13歳になって、子どもが自分の”エゴ”を持ち始めるまで、潜在意識の上で母子は一体関係にあるといえるでしょう。
  • 子どもの成長と共に母子の関係は変化する(~省略~)大人のつく嘘、言動の矛盾、ごまかしなど一切を、子どもは鋭く見抜き、批判を始めます。
  • 窮地に立った母親をサポートするのが、当然、父親の役目(~省略~)子育ての主役は少年期から青年期に移る過程で母親から父親に交代することになるのです。
  • 父親という存在は、子どもがこの世で初めて出会う他人(?)です。
  • 父親はわが子が他人とのかかわる上での基本ルールを教える役割を負わされます。
  • 権威というのは、(~省略~)精神的に毅然とした世界を持っていること
  • 父親が権威ある存在であるときは、子どもも自分を権威づけようとする傾向になります。人間として卑しいこと、恥ずべきことはしない、したくない。正しく、立派に生きたいという、道徳観や正義感の基になるものがつくられるわけです。
『今日(いま)、”いのち”の扉をひらく』著:永池榮吉(スコーレ出版)より

名誉会長は母親の権力と父親の権威を成立させるためには、家庭内においてある種の演出が必要になる、という。

わが子に対するこのある種の演出がなければ、家庭内の親の立場は弱くなってしまう。

その意味で、母親が日頃から父親を上手に演出していないと、青春期からの本格的な父親の役割交代が上手くできず、逆効果となるという。

女性の社会進出が進み、社会における女性の立場が強くなってくるにつれて、男女平等主義が家庭内においても叫ばれるようになってきた。

名誉会長は、この点について次のように危惧されている。

核家族化で親の立場が弱体化してきているにも関わらず、男女平等問題と家庭生活での親の役割の相違についての整理がされていないために、「母親の権力を父親が保証し、父親の権威を母親が保証する」といった構図ができていない家庭が多い、というのである。

今朝の朗読から思ったこと

仕事と育児を両立している現役ワーママとして、このテーマについて考えてみた。

男性に負けたくない

私は物心ついた頃から家庭内の男女の役割分担という言葉に反発心をもっていた。

だから、結婚して子どもを持った今でも仕事をしているし、男性育児参加も当然だと思っている。

働くことに対しては、(まだまだ男性社会でやりづらいところはあるが) 男性がやっていることを女性だからできない、ということはない。

だからこそ、対等に扱われるべきである。

”女性だから”という理由で排除される考え方が大嫌いだったので、当然ながら育児においても対等であるべき、と考えていた。

育児については、出産を除けば男性でも担えるものと思っていた。

子どもを産んで気づいたこと

しかし、実際に子どもを持って一つだけわかったことがある。

それは子どもが幼いほどに、母親の存在・影響力がとてつもなく大きい、ということだ。

子育てについては、母親でないと泣き止まない・寝てくれない、と言ったことは往々にしてある。

もちろん父親でもできないことはない。

ただ、母親の方が圧倒的にスムーズに行くことが多いのだ。

ワーママAさん
ワーママAさん

特に風邪を引いたときや体調がすぐれないときは、ママじゃないとダメと言う状態はよくあるよね。

ワーママBさん
ワーママBさん

「ママ×ロックオン」状態になるから、ママとしてはなかなか辛いのよね…。

ただでさえ、帰宅後はやることがいろいろあるのに。

今の育児制度

実際に子育てして思ったことは、「子育てには、子どもの成長過程において、母親が主導権を握る時期と父親が主導権を握る時期がある」ということ。

昨今、女性のさらなる社会活躍を目指して、男性の育児参加を促す育児制度が数々と整備されてきている。

私の職場でも男性の育児休業取得率が年々上昇傾向で、喜ばしいことだと思っている。

しかし、これらの制度には男女平等論と家庭内の役割分担がしばしば混同されている気がするのだ。

(例)当直勤務と育児の考え方

私の職場には当直勤務のある職場がある。

男性の育児制度がまだ整っていなかった時代は、おもに女性が育児制度を利用することが多く、育児の中心は女性というイメージがあった。

女性の積極的登用が叫ばれるにつれ、男性の育児制度利用も受け入れられるようになり、育児制度も男女平等に利用されるべきとの流れになった。

その流れを利用するかのように、幼い子どもを持つ女性も育休復帰後に当直や不規則勤務といった職場に配置されるようになった。

その代わりに父親(同じ職場の場合)を勤務時間に融通が利く職場に異動させるというケースだ。

まるで「子どもの面倒は、お父さんで頑張って」といった感じで、完全に縦割りされた考え方である。

仮に、その家庭の子供が、母親しか寝かしつけができないタイプかもしれないというのに、お構いなしの状態である。

繰り返しになるが、子どもが幼いときほど、母親の影響力は大きい。

母親ならスムーズに寝てくれた子どもが、父親の場合なかなか寝てくれない、といったことは、どの家庭でもよく聞かれることだ。

【負のスパイラル!?】あくまで私の妄想

子どもが寝てくれない → 父子ともに疲れる → 子ども寝不足 → 免疫低下 → 風邪を引く → 子どもは体調不良のときほど母親依存がきつい → ママ依存がきつい状態での看病で父がダウン → 結局母が仕事を休まざるを得ない状態に…

仕事をしている母親の悩み

このことから私はジレンマに陥っている。

男性の育児参加は大いに歓迎したい。

男性に変われる育児はたくさんある。女性だけが負担すべきものではない。

一方で、母親にしかできないことがたくさんあることも事実である。

一元的に家庭内役割分担を単純に縦割りするのは現実的ではない。

わたしの場合、男性と対等に仕事をしたいという欲求と、一方で母親として子どもの成長に関わりたい気持ちもある。

対等に仕事がしたいというのはたいそうだが、任された仕事は責任をもって全うしたいと思うし、責任あるやりがいのある仕事をしたいと思っている女性は多いと思だろう。

このバランスが非常に難しいのだ。

仮に学童期までの子どもがいる女性を、仕事がセーブできる職場にばかり配置したとする。

子どもが大きくなったからと言って、10年後に男性と同じキャリア路線に戻された場合、10年の現場離れがハンデとなり、きつい状況になることは必至である。

女性の育休復帰後の配置(当直勤務など)にいろいろ難癖つけながら、かと言って長年現場を離れることも不安なのだ。

割り切りが大切

職場でバリバリ昇進している女性は"何かを捨てて(犠牲にして)いる"

この考え方には同じワーママであってもさまざまな考えがあると思う。

少なくとも、わたしはこのジレンマについて、自分の中でいまだに消化しきれていない。

今の時代(令和)における家庭内の役割分担とは

戦後、高度経済成長期を迎えた日本では、女性の社会進出が追い風となっていた。

便利家電の登場により男性でも家事ができるようになり、男女平等の風潮が後押しとなって家庭内の男女の役割分担はもはやボーダーレスの時代になりつつある。

そんな世の中なので、今の時代に男親と女親の役割の差異について論じようならば、すぐに男女差別だと鼻息荒く、指摘する声が聞こえてくる。

名誉会長は、こうした男女の平等と父親母親の役割の問題を同列に論じるべきではない、と仰っている。

これらの問題を一緒に考えるべきでないのは、理解しているのだが、現代の家庭内において“父の権威”と”母の権力”をバランスよく成り立たせることが現実的にはなかなか難しいのだ。

母親もフルタイムで仕事をしている以上、家庭に割く時間は父親とさほど変わらず、母親が家庭内の権力を握っているとも言い難い現実があるからだ。

20年前のテキスト

スコーレの早朝研修では名誉会長のご著者をみんなで朗読して、生き方の基本を学ぶ。

しかも何年も繰り返して同じテキストを読むのである。

名誉会長がこれらの書物を執筆されたのは20年以上前のこと。

名誉会長はご著者で、特に戦後の日本が高度経済成長期を迎え生活様式・価値観が大きく変わったことを指摘されている。

その上で古くからの家庭内での父親、母親の在り方を説かれている。

いつの時代も根本的な家族・家庭の在り方は変わらず、変えてはならないものがあることはよく理解できる。

一方で時々内容について、“今の時代には合わないのでは?“と思うことがある。 

名誉会長がご著者を執筆されたときからさらに時代は進み、始まったばかりと思っていた2000年代も早20年が経過した。

しかも2000年に入ってからの世界情勢、社会変化はさらに加速し、働き方・家庭の在り方も様変わりした。

そのため、共働き世帯であり、昭和の子育て方法がうまくいかず、令和の子育てを難しいと感じる世代としては、何十年も前に書かれた同じテキストを読んでも、わかるようで今ひとつ腑に落ちないところがある。

テキストを現代版に改訂してほしい(感想まとめ)

名誉会長の考えにはいつも感銘を受ける。

述べられている内容にも大変説得力があるし、読んでいてなるほど、と気付かされることも多い。

だからこそ、個人的に、名誉会長なら、今の時代の共働き世帯の家庭内での役割分担についてどのように考え、さまざまな問題をどのように受け止めているのだろうということに非常に関心がある。

共働きで現代版の育児をしている私にとって、名誉会長のおっしゃることも理解できるが、現実的にはそんな昔のように男性と女性の役割を明確にするのも難しいと感じるのだ。

それは、名誉会長が指摘するように、

「日本では家庭生活での男女の役割分担と社会的な男女平等問題の相違が整理されていない」、という部分にもつながる。

これらの問題を一緒に考えるべきでないのは、理解しているのだが、現代の家庭内において“父の権威”と”母の権力”をバランスよく成り立たせることがなかなか難しいのだ。

だからこそ、名誉会長にこのテキストを現代版に置き換えて改訂してほしいと望む。

きっと変わるべきでない部分を主張しながらも、まさに今の時代に増えているワーママ(働くお母さん)たちにヒントをくれそうな気がするからだ。

と、なんとも厚かましい気持ちが湧き起こった今朝の早朝研修での私の感想であった。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次