新学期が始まってから、習い事こそ断念したものの学校自体は楽しんでいっている様子だった長男。
GWもキャンプにいったり、マリオの映画を見にいったりと満喫していたが、やはり最終日はまぁまぁきつめな”サザエさん症候群”に陥っていた。
それでもいざ月曜が始まると何もなかったかのように登校し、帰宅後も機嫌良く、宿題すらも早々に仕上げるほどの順調さを見せていた。
しかし、先日は違った。
長男は調子が悪くなると、まず食事に現れる。夕飯の箸がなかなか進まない。
ダラダラ食べても仕方ないので、時間を決めて切り上げたが、そのあとの宿題をするときになると一気に機嫌が悪くなった。
宿題の内容がわからずパニック
「今日の宿題は自習ノートに問題を書いてやるから、問題を何か(インターネットからダウンロードして)プリントして。」と言い出した。
(おいおい、自習なのに保護者も巻き込まれる自習課題とかあまり聞いたことないよ。そもそも何の単元をやればいいのか。あ、でも今我が家はプリンターが壊れているんだった。)
というわけで印刷できなうことを伝えたところ、突然キレ出す長男。
長男:んじゃあ、どうしたらいいのさ!?
母(私):印刷しないといけないわけじゃないでしょ⁉︎問題を書けばいいでしょ。で、内容は何したらいいの?
長男:角度をプリントしないといけなかったのに…文章の問題を書かないといけない…初めは算数プリント予定だったけど変わった…(と、ブツブツということが二転三転)
母(私):連絡帳を見たらいいてしょ。
(連絡帳を見ると”算数プリント”としか書かれておらず。そもそも連絡帳に日付が書かれておらず、ページもなぜか飛びまくっているため対象ページ不明。)
長男:とにかく書いてー!(泣き怒りでパニックになりだす)
仕方なく、いつも宿題で出る計算ドリルから、文章題を写してみた。もちろん喚いている長男に問題文を読みあげて、写す部分を確認したが…
写した問題を見て、
長男:これはまだ習ってない!
より荒れ狂って泣き出し、泣きすぎて嗚咽…苦笑
嗚咽したことにさらに悲しくなったようでまたも嗚咽し、吐く…(チーン)
これでは拉致があかないと判断し、仕方なくママ友にLINEで確認したところ、ようやくこれまでの不可解な長男の心理・行動が合点した。
【宿題の内容】
明日角度のテストがあるため、角度の範囲を自分で「自習ノート」に書いてやってくること。
ただし、最低ノートの半ページは何か書いて勉強してくること。
(テストだったかー)
長男は学期末のテストラッシュのときになると、家での機嫌が一段と悪くなる。長男が「宿題」以上に拒否反応をするのが、「テスト」であることを思い出していた。
そら、荒れるか。ようやく長男の心理がわかり、問題を自習ノートに書き写し、それをやるように促した。
宿題箇所の迷走がようやく着地したことで冷静さを取り戻し、その後はスムーズに事が運んだ。
曖昧すぎる「自習」課題
後日担任から別件で電話があった。
その際に先日の我が家の宿題迷走事件について話したところ、先生の話からそのときの宿題を出したときの指示、経緯などが明らかになった。
4年生になったこともあって、今学期より子供たちに「自習」ノートというものが配布されたそう。
このノートは基本的に何を勉強してもいい、というもので、普段の宿題にプラスアルファして自分の興味あるものからテーマを見つけて宿題にしてきてもいいというものだそう。
要は子供たちの自主性を伸ばすべく、宿題以外のものでも「やってきていいよ」と興味のあるものを深く追究することを妨げないことを目的としているよう。
それは絵であってもいいし、制作するようなことでもなんでもいい。
ただし、この「自習」ノートは今回のようにテストがある場合に書き込むことにも使うようで、今回はこれを目的として、宿題として出したそう。
教科書の問題を自分で写して書いてもいいし、何かの問題集の問題をコピーしたもの・インターネットからダウンロードした問題を貼り付けてもいい。(その場合はお父さんお母さんにお願いすること)
と、言ったことを説明したらしい。
これを聞いて、ふと思った。
(先生よ、一度に情報を与えすぎではないか!?)
自習課題は、大人であれば理解できる内容だし、取り組みの目的も素晴らしいものだと思うので、多いに活用してもらいたいところ。
しかし、わが息子のようなまだまだ理解が疎い幼いタイプの子供にはその説明はまだ早すぎる。
長男が宿題やテストで機嫌が悪くなる根底には、大真面目という性格がある。
真面目だからこそ手の抜き方がわからず、常に全力集中するために疲れてしまう、そして、疲れるから嫌がるというのが、パターンである。
今回の宿題も長男なりに理解しようと全神経を集中して聞いてきていたのだろう。(じゃあ連絡帳ちゃんとメモしろよ というツッコみは今回はおいておくとして)
そのため本人的には宿題の内容については、わかっているつもりでいたようだ。
しかし、帰宅後にプリントを印刷すれびばいい、と思い込んでいた彼の予想はプリンタの故障によって狂わされてしまった。
そして予期せぬ事態に他の方法がわからず、パニック。(以下上述の通りとなる)
子どもに指示を出すときは
こどもに説明をするときに大人はついついあらゆる情報を「よかれ」と思い付け加えてしまう。
しかし大人でも一度にたくさんの情報を与えられると、しばしば混乱する。
昔読んだ幼児に関する育児書で、幼児期は情報処理能力がまだまだ未発達のため、「一度にたくさんの指示を与えない」と読んだことがある。
長男はもう4年生だが、成長の個人差は子どもの年齢が低くなるほど顕著なことが多い。
集団教育というのは、全体の7~8割ぐらいの理解度を見ながら、学習速度を進めていく傾向があるように思う。(これはあくまで私個人の意見だが)
ましてや子どもの頃の4月生まれと3月生まれは、同学年であっても心身の成長が大きく違う。4月生まれだった私はどちらかというと学校生活では「できるタイプ」だったので、早生まれの長男が生まれるまでは、「ついていけていない」子の存在がいることさえ知らなかった。
「早生まれ」の長男を通じて、いろいろな角度から物事を捉えられるようになった気がする。
学校としては「自主学習」をあくまで評価加点として位置付けているようだが、真面目な子供からすると「神的存在の先生」から出された課題=やらなければならないもの、と思いがちである。
そのため長男のようなタイプは自主学習も「マスト課題」として位置付けられてしまい、それが強いプレッシャーとなってしまう。また長男の場合、「先生のいうことがすべて」であるため、母親の私がいくら「必ずこうしなければならないものではない」と説明しても、まったく聞き入れてくれない。
とりあえず、先生には「全体に複雑な指示を出す場合は、個別に長男に話しかけて理解しているかの確認をしてほしい。」と伝えた。またその際には「何が理解できていないか」も本人的に理解していない可能性があるため、クイズ形式で話しかけてあげてほしい。」と追加注文。
学校の先生も大変だなと思いながら、周囲の大人のちょっとした配慮だけで、子どもの学習に対する意欲はよくも悪くも影響することを念頭に置いておいて接してほしいと思う。
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